医師紹介
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夜間17:00-20:00※受付は 16:30-19:30 |
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診療科の特徴
当科では外傷治療だけでなく、消化器外科を中心に胃がんや大腸がんなどの消化器悪性疾患や消化器良性疾患、腹壁やそけい部のヘルニア疾患、消化管穿孔や胆石胆嚢炎、急性虫垂炎、腸閉塞などの腹部救急疾患の外科治療まで幅広く行っています。
常勤医1名と非常勤医1名により外来・入院治療を行い、消化器疾患の手術に関しては従来の開腹手術だけでなく、患者さまに負担の少ない腹腔鏡手術も行っております。
また、消化器内科とも連携し、手術治療にととまらず、それぞれの病状と身体状況に最適な治療を提供できるよう心がけております。
主な診療疾患
胃がん・大腸がん
当院の消化器内科医との連携により治療方針を決定し、リンパ節転移の可能性がない場合は内視鏡による切除を行います。しかし、進行度によりリンパ節転移の可能性がある場合は手術治療が必要となります。その場合もそれぞれのがん治療ガイドラインに従い可能な限り腹腔鏡手術による精度の高い治療を心がけています。進行がんのため手術前後に抗がん剤治療が必要な場合は入院または外来通院により化学療法を行うことが可能です。
また昨今は高齢者のがん疾患が増加しており、大きな手術を受けられた場合にはやはり体力の低下を来すことが多くなります。当院のリハビリテーション科は積極的にがんリハビリテーションに取り組んでおり、手術後も転院することなく当院の回復期病棟にて十分なリハビリの後に退院することが可能であり、それぞれの患者さまの身体状況に合わせた回復をお手伝いさせていただきます。
胆嚢胆管結石症
当院の消化器内科と連携して、急性期の診断と内視鏡的治療から手術的治療まで継ぎ目のない治療を行います。
総胆管結石に対しては消化器内科により内視鏡的に胆管造影(ERCP)にて診断のうえ、乳頭切開術(EST)を施行します。胆嚢結石が原因となっている場合には引き続いて胆嚢摘出術を行います。
また胆嚢炎を呈している場合には可能な限り早期胆嚢摘出術をお勧めしますが、全身状態によっては胆嚢ドレナージ(PTGBD)を行って炎症を改善させてから待機的に胆嚢摘出術を行います。胆嚢摘出術についても可能な限り腹腔鏡手術による低侵襲治療を行います。
そけいヘルニア
<そけいヘルニアとは>
そけい部( 恥骨両脇付近 )における脱腸を指します。男性に多い疾患ですが、女性でも発症することがあります。
下腹部の恥骨両脇付近に柔らかい膨隆として発症し、違和感や疼痛を伴うことがあります。放置して改善することはなく徐々に悪化する疾患であり嵌頓(かんとん、すき間からはみ出した腸などが元に戻らなくなった状態)することで重症となりうる疾患のため治療が必要となります。
<治療法について>
治療法としては手術以外に方法がありません。手術法に関しては従来のようにそけい部を切開してメッシュシートで補強するそけい部切開法(リヒテンシュタイン法やクーゲル法)と、腹腔内または腹膜外からヘルニア門をメッシュシートで塞ぐ腹腔鏡下そけいヘルニア修復術(TAPP法またはTEP法)を選択できます。
また、腹腔鏡手術は全身麻酔が必要となりますが、全身麻酔が困難な高齢者に対しても局所麻酔によるそけい部切開法を行うことが可能です。
患者さまの病状や生活背景に配慮して最適な治療法を提示させていただき、いずれの治療法でも1泊2日入院での治療を行っています。
<手術法>
そけいヘルニア手術は下記以外にも実にさまざまな手術方法があり、日本のガイドラインでは術者が最も得意とする方法で行うことが推奨されています。
当院では以下の手術法を習熟した外科学会専門医かつ日本内視鏡学会技術認定医がそれぞれの患者さまに適した治療を提供します。
そけい部切開法
- リヒテンシュタイン法
現在、国際ガイドラインで推奨されている手術法です。国内では施行している施設はまだ多くありませんが、最近徐々に普及しつつある術式です。
そけい部でヘルニア門の真上から腱膜を切開して前方からメッシュシートで塞ぎます。
- クーゲル法
ヘルニア門より頭側の筋肉を切開して腹膜外にアプローチし、ヘルニア門を後方から塞ぎます。
国際ガイドラインで推奨されている手術法ではありませんが、最も短時間で施行可能であり、大腿ヘルニアも含めたそけい部ヘルニア全てに対応できるメリットがあります。
腹腔鏡下そけいヘルニア修復術
国際ガイドラインまたは日本のそけい部ヘルニア診療ガイドラインにおいても腹腔鏡手術に習熟した外科医が行う場合にのみ推奨される手術法とされています。
- TAPP法(お臍からスコープを挿入し腹腔内にアプローチする方法)
腹腔内からヘルニア門の腹膜を切開してヘルニア門を後方からメッシュシートで塞ぎ、腹膜を縫合閉鎖して修復を行う方法です。
最も小さな傷で行うため痛みの少ない治療法となります。
- TEP法(お臍からスコープを挿入し腹膜外でアプローチする方法)
腹腔内を触ることなく、腹膜外でヘルニア門にアプローチしてヘルニア門を後方からメッシュシートで塞ぎます。
腹膜を切開縫合しないので腹腔内での癒着性合併症の可能性を回避することができます。
急性虫垂炎
炎症が虫垂にとどまり程度の軽いもの(単純性虫垂炎)から、穿孔して炎症が周囲に広がり膿瘍を形成するもの(複雑性虫垂炎)まで病状は多岐にわたります。
基本的に手術治療が標準的治療となりますが、単純性虫垂炎の場合には抗生剤治療により一旦治癒に持ち込み、再燃のリスクをお示しして待機的に手術治療を行うこともあります。
また複雑性虫垂炎の場合には手術先行治療の侵襲の負担を軽減するため、まずは抗生剤治療により炎症を改善させたのちに腹腔鏡治療により手術侵襲を軽減する方法をとることもあります。
すでに腹膜炎となっている場合には手術治療を先行することが必要となります。
いずれにせよその病状とそれぞれの患者さまの身体状況と社会背景、治療期間や合併症の危険性を検討の上で、抗生剤治療と腹腔鏡手術を組み合わせて最適な治療を提案します。
腸閉塞
腸閉塞は様々な原因により引き起こされます。たとえば過去の手術による癒着や捻転、ヘルニアや大腸がんによって引き起こされることがあります。内科的な治療のみにより改善することもありますが、腹部のCT検査によりその原因を早急に検索し、手術が必要と判断される場合には早急な手術介入を行います。
内痔核
まずは座薬による保存的治療と生活指導により治療を行いますが、改善しない場合や嵌頓といって脱出したまま戻らない場合は手術治療の対象となります。
当院では従来のように痔のイボを手術的に切除する方法だけでなく、ジオンという硬化剤をイボに注射して切らずに治す治療(ALTA療法)も行っています。ただし外痔核には効果がなく、すべての痔核に適しているわけではありませんが、1泊2日入院からの治療が可能であり、再度悪化した場合にも再施行が可能です。ジオンを患部に注射する手技(四段階注射法)は技術教育を受けた医師が在籍する施設でないと治療ができません。当科には施術資格をもった医師がおりますので適応に関してはご相談ください。
NCD事業への参加について
━ 当科で外科治療を受けた患者さまへのお願い ━
当科では、外科系学会が主体とした「一般社団法人 National Clinical Database」(以下、NCD)に参加しております。
当科に入院された患者さまの臨床データを解析させて頂き、外科医療の質の評価に役立てることを目的としています。
NCDへ提供するデータに関して:個人を特定できない形に加工したデータで提供しますので、患者さまのプライバシーは完全に保護されます。
NCDの解析に自分のデータを使用されることを拒否される方は、その旨をお申し出下さい。