「傾聴の大切さ」
Hさん 2C病棟勤務
「今日は私、家に帰れないんですか?」と患者さまに質問されたので、「今日はここでお泊りの日になっています」と伝えると、「そうなんですか。ここで死ねということですね。」と言われました。
そのように思った理由を尋ねたところ、「家族に捨てられたから自宅に帰ることができない。」と考えておられたことが分かりました。
認知症があり、なぜ入院したのかが分からない状況と判断し、「骨折治療後のリハビリのために入院しており、ご家族は元気に帰ってこられるのを待っておられます。」と伝えました。
でも、「分からない。あなたの言っていることが本当かも分からない。」と、かえって患者さまを混乱させてしまいました。
傾聴は相手の思いを受け入れることが大切です。今回、「家族に捨てられた」という思いに対して、「そんなことはない。家族はあなたのことを大切に思っている。」ということを伝えたかったのですが、患者さまの記憶があいまいなために、不安をあおる結果になってしまいました。
発する言葉だけでなく、その裏に秘められた思いまでちゃんと「聴く」ことで、相手の気持ちを和らげる、癒すことができるのだと分かりました。
良い経験ができたので、今後に活かしていこうと思いました。